とうきょうすくわくプログラム活動報告


とうきょうすくわくプログラム活動報告

 

日常体験からのごっこ遊びが発展した製作遊び はくちょう組

活動のテーマ

ある日園児の一人が保育室の引き戸を電車の扉に見立て扉開閉のごっこ遊びを始めました。 保育者が吊り革を模したものを戸口に下げたところ、これをきっかけに、自分たちでごっこ遊びを製作で表現する新しい遊びが始まりました。 製作物も電車→券売機→オフィースと発展していき、また、製作物に触発された新たなごっこ遊びも生まれた。 このような、園児たち自身が仲間で行う「ごっこ」→「製作」→「製作物に触発された新しいごっこ」という自発的で協働的な探求・創造のループを更に進めさせたいと思い、このテーマを選びました。

探究活動の実践


<素材や道具>: 自宅から持ち寄った空牛乳パック等を置く廃材コーナーを設置。画用紙、折り紙、段ボールなどの素材、マーカーや絵の具他の画材など。
<環境設定>: ・自由遊び時間を使った自由な製作環境。
・保育者は、子供の作りたいもののプランを聞いて、資材を調達、提供する役割。場合により、素材の特性に応じてより適する素材の助言サービスを提供。

活動の内容

・基本的に自由遊びの時間を使った自由製作活動。以下の段階を経て発展していきました。

 ① 9月-10月:妖怪、お化け、藁人形への興味、個人の単体作品製作の段階。
 ② 10月末:ハロウィーンをきっかけにお化け屋敷という共通の場の製作に変化する段階。
 ③ 11月-12月:(お化け)「屋敷」から、自分の住みたい「家」に発想が発展し、それぞれが自分の住みたい家や行きたい学校、乗りたい車や、船などを製作する段階。
 ④ 1月-2月:個々の家々を超えて、作品展に向け自分たちの大きな街を作りたいという機運が盛り上がり、クラスの街のパノラマ作品を協働してつくる街づくりの段階。
・9月-10月は、お化けごっこの遊びから妖怪、お化け、藁人形等、各自が興味を持った作品を個人の単体作品製作の形で製作していました。


・10月末:ハロウィーンをきっかけにお化け屋敷という共通の場に製作活動を変化させ、お化け屋敷の壁を作る者、 お化けの仮面を作る者、お化けの衣装やお化け人形を作る者など、共通の場をベースにした分業・協働製作活動を行ないました。


・11月-12月:(お化け)「屋敷」から、自分の住みたい「家」に発想が発展し、各自、自分の住みたい家や行きたい学校、乗りたい車や、船などを製作する活動を行ないました。


・1月-2月:作品展に向け、子供たちから自分たちの大きな街を作りたいとの意見が出て、クラスの街を自分たちで企画し、それぞれ自分の作りたいものを分業、協働して作る形で、街のパノラマを製作する活動を行ないました。


・2月15日の作品展:子供たちの作品の街である街のパノラマと街の一部の動物園を展示し、製作過程をスライドショー映写で保護者と共有しました。当日は、出来上がった街のパノラマと動物園だけでなく、それぞれの子供が作成した自分の作品の設計図も展示しました。


活動中見られた子どもの姿

街作りの協働作業では、当初自分の分担の作品だけに集中して製作していた子供たちが、街並みが完成に近づくにつれて、そこはこういうのがあった方が良いと言って、 他の子の作品製作に協力して製作するなど、子供同士の関わり合いが深まっていく様子が見られました。


教諭との関わり

保育者は、基本、子供の作りたいもののプランを聞いて、資材を調達・提供する役割に徹しましたが、資材を受け取るときには自分の作品の設計図を提示することをルールとし、保育者は、設計図を見て、必要な場合には、素材の特性を考えてより適する素材を助言するなどしました。


振り返りによって得た先生の気づき

・街作りでは、最初の頃は自分の製作部分にのみ集中する姿が見られましたが、全体の作品の完成が近づくにつれて、自分が今まで作ってきた部分だけでなく、他の子供が作ってきた部分も含めて「自分(たち)の作品」という意識が芽生え、自分事として、意見を言ったり、製作協力をしたりする姿が見られるようになってきたことに気づき、新鮮な思いがしました。



「園庭の自然」うぐいす組

「お祭り」こまどり組

「日常体験からのごっこ遊びが発展した制作遊び」はくちょう組

「英語あそび」全クラス